6月21日(木)東京工芸大学の工学部2年生向けに「就カツ!」を用いた就職活動導入講座を開催いたしました。
「大学(学部)2年生の前期から就職活動なんて早すぎる !?」と考えている学生は多いです。(もちろん同じように考えている教員の方も多いです) 長期的に及ぶ就職活動が学業を圧迫するという批判もあります。だからこそ、この講座がお役に立てると確信しています。
【講座の特徴】
模擬就活ができるボードゲーム「就カツ!」を使用する講座は、半日(3時間=90分×2コマ)で「就職活動で、まず何から始めるか」を言語化できるようになります。言語化できることで、何をやればいいかを理解し、最初の一歩が踏み出せるようになります。
学部3年生の春頃から、就職活動に向けた学内イベントが本格化してきますが、特に前半は学生の出席率が低くなりがちですし、学生のモチベーションもそんなに高くないことが多いです。その理由は、就職活動を先延ばししたらどうなるか想像できないからです。本講座では、出遅れた就職活動をゲーム上で体験していただくことで、今何をすべきか考えるきっかけを与えます。自分で考えるから、就活イベントにも能動的に参加するよう学生の心構えと行動が変化します。
【なかなか下がらない行動のハードル】
大人たちは、学生の行動を促すために「いまが売り手市場である」ことや、「ちょっと頑張れば希望の就職ができる」と話します。メディアでも、タクシーチケットが振る舞われたり、イベント参加で商品券がもらえるなど、バブル期の採用活動と勘違いしてしまうような企業側の苦労が綴られています。
そんな中、学生たちには「少しくらい出遅れても大丈夫だろう」という慢心が生まれ活動を先延ばしします。中位クラスより下の大学では、慢心している自分たちより有名大学の学生を出し抜くチャンスなのに見過ごしてしまいます。結果、一度出遅れた学生はそのまま第一歩を踏み出すタイミングを見失い最後まで苦しみます。
これらの学生をフォローするキャリアセンター/就職課は、一年中振り回されることになり、職員やキャリアコンサルタントが疲弊している現状は多くの大学で見られます。
【受講者の変化】
「就活講座」と聞かされている学生のモチベーションは大変低いところから開始します。特に、学部2年生の段階では就職は現実的なものと認識されていません。
ところが、ゲームが始まると受講者(学生)の熱量が上がっていきます。負けたくないという気持ちから、中には立ち上がってゲームを仕切る学生が現れます。予備知識がないまま就職活動に出遅れるとどうなるかというリアルすぎる体験は、眼の前に置かれた自分事となり学生の気持ちを変化させていきます。当日見学していた教員の方々から、「学生のモチベーションが上がっていくのを肌で感じた」とのコメントをいただきました。
【アンケート結果】
講座終了後のアンケートでは、参加した45名中44名が、「就職活動で、まず何から始めるか」を言語化しました。就職活動にはこのとおりやればいいという正解は存在しないのですが、各々自分でやるべきことを書き出してくれました。具体的な言葉にすることで、行動のハードルはとても下がります。
「就カツ!」講座は、大学2年生の夏〜秋に実施することをおすすめしています。この時期に実施することで大学3年生の夏インターンシップへの余裕を持った準備につながります。
【講座の様子】
講座ダイジェスト版の動画を公開しています。(プレイしているのは講師の方々です)
プレイ中に話し合いながら進めている様子をご覧いただけます。