20年ほど就職支援の仕事に携わってきました。
お会いするたびに、企業の採用ご担当者から「良い人(材)いませんか?」と話しかけられます。でも、「良い人(材)」って同じ業界内でも、企業ごとに異なるんですね。
就職率を上げるため、その企業にとって「何が良いとされるのか」を聞き出しました。企業との信頼関係ができるまで3年ほどかかりましたが、学力がそんなに高くない学生も就職へと導くことができました。もちろん、学力が高く、俯瞰的に物事を捉えられ、意欲があり、行動できる。そんな新人が良いに決まっています。でも、残念ながら私が勤務していた職業訓練校には、そのような人材は集まりません。
何かが欠けている人材を、どのように売り込むか。多くのことができないのですから、その人物ができることを明確に伝える以外にありません。
就職させる側だったからこそ気づけたこと、採用ご担当者からこんな風に伝えていただきたかったこと。学校側の視点で採用活動を考えゲーム開発を行いました。
「アイドルマッチング」は、プレイヤーがスカウトマンとなって、アイドルユニットを結成させるゲームです。
きちんと伝えなければ希望する人材は応募してくれません。しかし、高望みすると誰も応募してくれなくなります。良い人材に見えても、すぐに決断できなければ保留できます。ただし、決断を先延ばししている間に人材を取られてしまいます。
採用担当者は、経験がものをいう仕事かもしれません。そんな事を言ったら何だって経験が物を言いますし、失敗が次の成功とつながります。採用コストをかけられない時代だからこそ、手軽にゲームで感覚を養っていただきたいのです。